空手は人格完成へと続く道の一つだと私は考えています。そして、仏教的に言えば、悟りへと通じていると信じています。私は空手に敬意を払い、愛し、その真の道を歩くことに人生を費やしてきました。
 私は東京で25年間過ごした後、私の生まれ故郷ヒマラヤに似て自然の豊かな場所へと移り住みました。なぜこのような田舎に住むのか?と問われることもありますが、ここは東京からたった2時間余りのところにもかかわらず、美しい自然に囲まれ、稽古をする際により深く集中しやすく、20歳で日本に来て以来数々の素晴らしい先生方から学んだ空手の技をより深く理解しまたそれを鍛錬し続けるのにうってつけの場所だと思っています。
 私にとって、技を磨き続けることは達成感をもたらしてくれるとともに、素晴らしい喜びを与えてくれます。あなたの精神と肉体を技に集中させてください。私達は時に技を理屈で説明することに時間を割き過ぎてしまうことがあります。でも体を動かし心を集中させて実際に練習すれば答えはおのずと見つかるものです。「沈黙は金なり」です。松涛館空手の開祖、富名腰義珍先生の作られた技を信じてください。一生懸命練習し自分の心の声に耳を澄ませば自ずと空手に対する答えがでることでしょう。日本松涛館空手道連盟(NSKF)は空手を学ぶ方々の歩く「空手の道」へのガイドとなりたいと思っています。
 NSKFは世界中の空手家達を励まし、自然から多くを学ぶことによりシンプルで純粋でそしてダイナミックな空手の道、すなわち「武士道の精神」を伝えたいと思います。
 空手を愛し技を鍛錬することは、人生の謎を解く鍵を手にすることかもしれません。この「道」は長く厳しいものかもしれませんが、そこから得るものの大きさはは計り知れません。NSKFは皆さんに切れのあるダイナミックな技を伝授し、この「空手の道」をご案内します。

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